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電着塗装のあれこれ。(有)小柳塗工所 社長の独り言

電着塗装は、パイプの中も塗れます。

本ブログご覧いただきありがとうございます。

ホームページをご覧の通り、弊社は電着塗装を扱っております。電着塗装について、たまにご質問を頂きます。

今回、お答えする意味で難しい専門的な説明でなく、実務的な話を書かせていただきます。

そのつもりで読んでいただければ幸いです。

さて、電着塗装って、大きく分けて2種類あるんです。

電着塗装の種類 カチオン電着、アニオン電着

何が違うかって、被塗物に通電する際、電極が陽極と陰極で違います。

どっちがブラスで、どっちがマイナスかって、正直お客さんには、あまり意識するところではないかもしれません。検索すると色々出てくるでしょう。知らなくとも正直、当事者以外は、あまり問題ありません。

弊社で頂く8割方の問い合わせは、「図面にカチオン電着黒」とあったというものです。

電着塗装は、世間で実用化されてから約60年、最初に実用化されたのは、アニオン電着でした。しかしながら後から出たカチオン電着の方が、鉄に対する防錆性能としては、大幅に改善されています。

(理由は割愛させていただきます。いろいろなサイトに、原理も含めて出てきます。)

カチオン電着

実状、カチオン電着塗装でエポキシ樹脂の組み合わせが、耐食性に優れています。

自動車の量産ボディの下塗りは、ほぼカチオン電着塗装でエポキシ樹脂塗料です

しかしながら、エポキシ樹脂塗料は、紫外線に弱いという欠点があるんです。

使い方を、下塗りや屋内製品、見えないところの部品などに絞ると、複雑な形状やパイプなどの中も塗れることから、カチオン電着塗装+エポキシ樹脂塗料は、強力な武器になります。(もちろん複雑形状なものは、アニオン電着でも可能です。)

カチオン電着でも、エポキシ樹脂以外にアクリル樹脂塗料で外装に使用できるもの、アクリルエポキシで混合しているタイプもあります。建設機械などの業種では、色も黄色と決まっているものなど特化して、メーカーラインで採用されている事例があります。

アニオン電着

一方、アニオン電着。はどこで使われているのか?

アルミニウムの押出材、特にアルミサッシでの採用が最も多いです。

アルミサッシの場合、アルミの押出材に対し、陽極酸化(アルマイト)処理を行い、封孔という処理をせずにアニオン電着(アクリル樹脂塗料のクリアー)をかけるものです。

陽極酸化と、アニオン電着クリアーはラインを一連化できるので相性も良いのです。

そう考えると、クリアーの電着塗装は“めっき”上にも有効です。

ゴールドなど、本物の金を使用していなくても、それらしい感じのものの保護になりもます。

ちなみにエポキシ樹脂でクリアーは、耐候性が弱いため実用上は考えられません。

クリアーは主にアクリル系です。一部電子部品では特殊な樹脂塗料は存在します。

クリアーに対する素材も、鉄は前処理すると素材の色が変わってしまうので、めっきやアルマイトの上からが必然となります。

ということで、量産性を考えると、

カチオン電着とアニオン電着は、世間ではどう使い分けているように見ているか。(独り言)

素材と性質によって、前処理も変わり、主として求められているものが違ってきます。

カチオン電着は、鉄素材に対する耐食性用途

アニオン電着は、アルミニウム、ステンレス素材やめっき材などのアクリル樹脂クリアー、装飾目的、下地の保護目的が多いかなという感じがします。

ちなみに、鋼材をカチオン電着する場合、ライン構成として前処理は、リン酸塩、ジルコニウム系です。アルミやステンレスでは、ほとんどリン酸塩被膜は付きません。

しかし、エポキシ樹脂は、脱脂後の被膜なしの塗装でも密着用下塗りとして使用されているため、アルミやステンレスの密着もそこそこあります。

実際、弊社の取り扱い素材実績は、鉄、アルミ、ステンレス、亜鉛、銅、真鍮です。

アニオン電着の場合、アルミニウムの専用の前処理としては、陽極酸化か、電着で着色するのであればクロメート系です。ステンレスは、やはり通常の前処理では被膜は付きません。

弊社はアルミニウム専用の前処理ラインはありません。アルミニウムの塗装は、下塗りを入れて上塗り塗装、もしくはご相談相応です。

もちろん、取り扱う会社さんの戦略上の設備選択もあるでしょうから、方法は違うものもあるとお伝えしておきます。

実用的な話ですので、専門的な解説の参考にする場合は、必ず裏とりしてくださいね….。

どこか誰かのお役に立てば幸いです。

長い文章にお付き合い頂きありがとうございました。

最後にまとめておきますかな。#たくを語録

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